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「ひとくず」

大西雄大監督作品であり、監督脚本主演を務める。
ミラノ国際映画祭で作品賞&主演男優賞を受賞する。
Storyは、
母親のつれから虐待を受けて育った男Aが、空き巣に入る。
そこには、小学低学年の少女が食べ物もなく、電気水道は止められた家に置き去りにされていた。
母親は男Bと家に帰宅する。Bは娘にアイロンを胸におしつけやけどの跡が残る。
少女は児童相談員や学校の先生が助けようとするが、母親の下を離れない。
Aは少女を救うために、Bを殺す。
Aは母親を力づくで母親にさせようとする。
母親も親に虐待を受けて育った。
母親は叫ぶ。「私も子どもにどう接していいのかわからない」と、泣き崩れるのである。
Aも母親のつれに虐待を受けて育った。
お互い子どもにどう接していいかわからない。
愛情の表現の仕方がわからないのである。
不器用な3人の共同生活が始まる。
Aは少女の誕生日にケーキを買いに行くが、店員から娘の名前や年齢を訊ねられる。Aは「なんでケーキを買うのに、名前や年齢がいるのか」と怒りをあらわにする。
Aは親から誕生日に祝ってもらったことも、ケーキを買ってもらったこともない。
店員から理由を聞いて納得する。
3人は家族になろうと決めるが、誕生ケーキをもって少女の家に向かう。
玄関先にいたのは「殺人と死体遺棄で逮捕に来た刑事」だった。
Aは刑務所に収監され、時は過ぎて、出所する。
そこに待ち受けていたのは、胸にあったアイロンのやけどの傷と手の甲にあった煙草の痕が消えていた少女ではなく、麗しい少女だった。
Aは学校の先生にお金を渡し、傷を消してくれるよう頼んでいたのだ。
映画は残忍なシーンがあるが、どのように人に接していいか「知らない」人間同士が必死に生きる愛が描かれていた。