看護部長あいさつ

看護部長挨拶

新型コロナウイルス感染症による未曽有の災禍の中、あきた病院の理念「出会った方々との心のふれあいを大切にする」を実践する上で、今までとは違う距離感で出会った方々と対応することが求められるようになりました。私たちなりの地域の皆様への寄り添い方が試されているように思います。患者様とご家族の面会は、面会禁止を何度も繰り返し、当たり前だった病室でのお見舞い客とのひとときの語らいや笑顔、笑い声が少なくなり、閉塞感の中で患者様への接し方、患者様やご家族をつなぐことの大切さを感じる日々です。
熊本で高齢者の新型コロナウイルスワクチン接種のWEB予約が始まったころ、WEB予約に不慣れな外来患者様方の「あきた病院でお願いできないか」との切実な思いを受けて、病院での直接予約とワクチン接種を開始しました。職員の家族や高齢者施設の方々、地域の方々、健診でお世話になっている企業の方々とそのご家族など対象者も日に日に増えました。平日の限られた時間では対応しきれなくなり、毎週日曜日にも集団接種を継続し、地域の感染症予防対策に少しは貢献できたでしょうか。接種をされた高齢者の方々や地域の皆様から、毎回「ありがたいです」との感謝の言葉をいただきました。また、スタッフの中には、近所の方からお礼を言われて、「この病院に勤めていることが誇らしかったです」とうれしそうに報告をしてくれました。地域のニーズに寄り添うことと、組織の使命に職員がコミットする意識が育まれたことをうれしく思いました。
この感染症には当院の職員も影響を受けております。特に子育て中の職員は保育園の休園、小学校の分散登校、オンライン学習など子どもの生活、教育環境が変わったため、不安な気持ちを抱きつつ患者様のケアにあたっています。子どもが小学校に入学するまで利用できる「子の看護休暇」や「時差出勤制度」等をうまく活用し、工夫しながら勤務を続けています。子育てをしながら働き続けることはとてもたいへんなことではありますが、その経験値は自身の人生を豊かにしていくと考えます。職員の働きやすい環境を整えることは、私たち管理者の重要な役割です。子育てしながら働くスタッフのよき理解者、応援者でありたいと思っています。