理事長あいさつ

理事長・院長挨拶

新年あけましておめでとうございます。昨年はあきた病院だけでなく世界中が新型コロナウィルス感染症パンデミックに翻弄された一年でした。感染症にかかる不安にさいなまれ、感染対策が生活や仕事にさまざまな制約と変化をもたらし、人間関係が希薄になってきたかのように感じられる場面も出てきました。
しかしそれは、それまで疑問を持ちながらもなんとなくやり過ごして来た社会の仕組みと価値観、人と人、人と国、国と国との関係性、そしてITにより変わり始めた社会、それらに対する潜在的な問題と不満が一気に噴き出して来た結果のようにも思えます。私たちは何が正しく何が間違いなのか判断することさえ難しく、黒か白かというより灰色のまま進んでいかざるを得ない現実に直面しています。まさに不確実で不透明な時代です。
このような混乱の時代は初めてのことかと言えばそうでもなさそうです。近代であれば明治維新、太平洋戦争敗戦直後の時代はまさにそうであったといえます。明治維新では身分制が崩壊し、まげが消え、選挙が始まりました。何百年と続いた価値観の変化を人々が受け入れることは並大抵のことではなかったはずです。戦争に突入し多くの人々が亡くなり、生活も人の心も疲弊の極致に達しました。それでも人々は変化を受け入れ立ち直り、新しい時代を切り開いていきました。
このような時代を乗り越えていった人々に共通した精神と行動指針は何だったのでしょうか。それは変化を恐れず前に進むこと、億劫がらず新しいことを学びなおすこと、お互いが助け合うこと、そして自立して考えること、であったように思われます。いまが大変とはいえ、昔に比べればはるかに恵まれていることもたくさんあります。今年一年、私達は自分の仕事に誇りをもち、住み慣れた地域で安心して暮らせるための医療介護施設づくりに邁進していきたいと思います。皆様のご協力をお願い申し上げます。

理事長・院長 町田 二郎