理事長あいさつ

理事長・院長挨拶

3月になり少し日が長くなり暖かくなって来たようです。まだまだ新型コロナウイルス感染症新規発症例は高止まりですので十分な健康管理をしたいものです。1月、2月は地域の介護施設のクラスター対応にも追われ、急性期病院からの転院患者や地域からの直接入院患者も多く超多忙でした。忙しいという字は心をなくすと書くと昔からよく言われ戒められていますが、私もついそのようなことがあり後で反省することがありました。先日あきた病院の基本理念を読み直してみました。簡単に言うと、心のふれあいを大切にし、人々の心を豊かにしましょう、です。とても大事な基本理念です。
今ウクライナで侵略戦争が起こっているのは皆さんご承知のとおりですが、この21世紀に仮にも先進国と言われる国家がこのような暴挙に出て、平穏な日常を破壊する様を見聞きするにつけ、私たちの何気ない日常生活がいかに幸せであるか痛感するとともに、これを守り通さなければならないと強く思います。ウクライナの人々だけでなく世界の多くの人たちの心は、不安と不信と怒りで安定性を欠いています。国家元首がいかに行動を正当化しようとも人々の心を踏みにじる行為を断行してしまえばどういう結果になるか、今後を注視しています。
しかし一方で、現実には心を大事にする掛け声だけで人々の生活や安全は保障されるわけではありません。このことは私たちの日常でもいえることです。具体的な行動計画とちょっとした工夫と、日々の話し合いの積み重ねが重要になります。次年度の事業計画の最も大事なことに“魅力ある働きやすい職場づくり”ということを設定しました。当院理念に基づき心が豊かになる職場にしたいとの思いを込めています。いま責任者の人たちが部署のスタッフと具体的な計画づくりにはいるところです。
何も難しいことを求めているのではありません。たとえばですが、「ありがとう運動をしましょう」といったことも考えています。「おつかれさま」より「ありがとう」です。ありがたいと思う場面は多々あるはずです。そのとき心で感じるだけでなく相手にありがとうとはっきり声に出すことで初めて相手の疲れはずいぶん軽くなります。心が和みます。心が豊かになります。働く環境も大事です。きれいで十分な設備のある環境で仕事ができれば誰でもうれしくなり、安全面でも改善し、やる気も出てきます。業務行為のうち過剰な確認のために無駄と疲れを残す場合があり、改善に取り組んでいきたいと思っています。こういったささいなことを積み重ねていけば、自然と人を大事にし、環境を大事にし、いい医療を提供できる、いい病院になれると信じています。

理事長・院長 町田 二郎