理事長・院長挨拶
5月ゴールデンウィークをいかがお過ごしでしたか。小雨もありましたが比較的天候に恵まれた一週間でした。大企業であれば10連休のところもありうらやましい限りですが、医療介護の仕事は人が生きるための毎日を直接に支える責任ある仕事であり職員が一斉に長期休暇を取得するのは困難です。その一方で、医療介護従事者にも連続休日というものは必要だと考えています。責任ある仕事がゆえにストレスもたまります。リフレッシュすることでより良い仕事ができます。働きやすい職場づくりの一環として、今年度は、少しずつではあっても連続休日がとれるように工夫をしていきます。
新型コロナウィルス感染症の新規感染者数は海外も日本全体も減少傾向となっていますが新規発生数についてはまだ予断は許しません。当院の診療現場では2月ごろまでとは少しばかり感染者の様相が変化してきているように感じます。一つは重症者が少なくなったことと、もう一つはワクチンをうった方の新規感染症例を経験することであり、このことは国の内外でデータとしても出始めているようです。ワクチンの重症化予防効果と、ワクチン接種率の向上(2回目接種率は総人口の80.2%、65歳以上の92.6%、65歳以上の3回目接種率87.8%)や感染者数の増加による集団免疫の改善があると思われますし、ウィルスそのものの性質の変化もあるものと感じます。政府は連休明けに新型コロナウィルスに関する新たな有識者会議を発足させ、これまでの取り組みの検証とWith コロナに向けた新たな取り組み方針を決めていくとされています。これまでの経験を今後の新興感染症対策に生かすだけでなく、経済活動から日々の暮らしのあり方にいたるこれまでの問題をよりよい方向に修正していきたいものです。
さて連休前に知床半島の観光船沈没のニュースがあり亡くなられた方々のご冥福と行方不明の方々の一刻も早い発見を心からお祈りするばかりですが、会社側のずさんな安全管理の実態が報道されています。安全管理の基準と状況判断もあいまいなら、その管理責任を現場のものに転嫁するなど、あってはならないことがいくつも分かってきました。このことは医療介護の現場でも対岸の出来事ではありません。医療安全管理体制について再度点検し、さらなる改善に取り組んでいきたいと考えています。
理事長・院長 町田 二郎