公チャンネル

安岡正篤先生に学ぶ
『命名』

 名前をつけるということは大事なことだ。だか
ら、名前はおろそかにしてはいけないので「命名」
という。「命」と言う字は絶対的と言う意味で、
いのちという。だから名前をつける時は非常な意
味をもってつけている。子供なら「お前は大きく
なったらおまえの名前の通りに修行すればいいん
だよ」という意味でつける。それが命名なのだ。
 私の名前は公一という。公とは、公であり、私
の反対である。私は禾とムからなる。禾は作物を
意味し、ムは自分に囲い込むことである。つまり
収穫物を自分にかき寄せることである。これに対
し公はムを払いのけている(ハはムを払いのける
こと)。
 したがって、私の名前である公一は公のために
働き、公を一番大事にする人間になって欲しい、
との両親の願いが込められている。が、期待と願
いにこたえられない私である。
 娘の円香は、一字で円ともかけるが、私はあえ
て円香とした。円とは、円相というように、その
人に生き方がすべて現れる。角がなく、自然界の
姿かたちはすべて曲線からなっている。直線は人
工である。
 円香には、丸いやわらかな人格を身につけ、周
りにほのかな香りを漂わせて生きて欲しいとの願
いから命名した。
 丸くやわらかな人格者になるには、誰にも負け
ない努力と、辛苦に耐える精神力がいる。辛いこ
と苦しいことから逃げず、その苦しみや辛さに意
味や価値を見出して感謝のこころで挑戦してほし
い。憂いのある人間が、なんともいえない、香り
を発するのだ。娘よ、腰骨を立ててまっすぐ歩い
ておくれ。