公チャンネル
安岡正篤先生に学ぶ
『
どんなに忙しい人にも、寸陰というものはあり、
ちょっとした時間は必ずある。そのちょっとした
時間をつかむ熟練をすると、案外時間はあるもの
で、寸陰を惜しんでやっていると、その寸陰が、
長い時間と同じか、あるいはそれ以上の値打ちが
生じてくるものだ。
時間だけは誰にも平等に与えられている。人生
八〇年として、働く年数は約四〇年。睡眠時間を
一日八時間として、起きているのが二十六年と半
年。二十三万二千百二十八時間である。
この時間をどう使うかでずいぶんと違ってくる。
睡眠時間を七時間にすれば九四九〇時間余計に起
きていられる。三九五日は他の人よりなにかが出
来る。
私は読書、学習、仕事などすべてにおいて、細
切れに時間を使う。仕事はいくつものことを同時
に進める。朝起きて、今日やることの手順を決め
てしまい、頭の中にスケジュールが入ってしまう。
その後は、やれることからどんどん進めていく。
優先順位もそのつど変更していく。
一つのことに時間をかけて、じっくり取り組む
ことはほとんどない。せっかちといえるかもしれ
ないが、次から次と課題を見つけ解決していけば、
アイディアが沸いてくる。
問題意識を常に持ち続けていけば、何をしなけ
ればならないかが、瞬時に分かり、体が自然と動
き出す。いまという時間を後回しにしてことをな
しえたためしがない。時間は細切れに使うことだ。
あとで、後で、というのでは、人生の夕暮れを迎
えてしまう。最も、大事でないことに時間を費や
すくらいなら寝ていた方がまし。