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安岡正篤先生に学ぶ
『挨拶の意味』

 挨(あい)とか拶(さつ)とかの意味はもとも
と、物がぶつかる、すれあう、という文字で、物
事がピッタリとすることを挨拶といい相手が思っ
ていることに、ピッタリと的中するような言葉が
出なければならない。
 この意味で、ご挨拶痛み入るというのは面白い
ことばであって、本人の痛いところをピシッとや
られた時に出るものであるから、「痛み入る」と
いうことである。
 挨拶は、人と人が触れ合う第一歩である。学校
や職場で挨拶をしない人が増えてきた。PTAの
父母の間から、学校で挨拶をするように指導して
欲しいと、要望する人がいる。おかしな話である。
 家庭教育がだいいちであり、家庭内で挨拶がで
きているかが問題である。夫婦間で挨拶が行われ
ているか。親が子に挨拶をしているか。これが問
われる。親の姿を見て子は育つ。
 挨拶は相手に向き合って、しならなければなら
ない。ところが、首だけわずかに下げて挨拶らし
きものをする人がいる。
 挨拶は顔とこころでするものだ。相手の顔を見
て礼儀正しく挨拶を交わすのが本来の挨拶である。
 ちかごろ、コンビニで買い物をしても、まった
く言葉を交わさないお客が増えている。レジカウ
ンターに行って品物とお金を差し出し、無言のま
ま買い物を済ませる人が多い。レジでは店員さん
がマニュアルどおりの挨拶をする。こころが通い
合っていない。
 いつから日本人は言葉を失ったのだろうか。目
上の人に対しても遊び仲間にしても、同じ挨拶を
する人が多い。人間関係の始まりが、挨拶である
ことを思うと、美しい挨拶を心がけたい。