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『私流の決断の心得』
私たちは一日何度も大小さまざまな決断をしている。
パンにするか御飯にするか。この商品を買うか、見合わせるか。
まぁ〜この類の決断なら人生にたいした影響はない。決断の心得なんて大げさなことを言う必要はない。
だが、組織の盛衰を決する決断は、多くの人の人生に影響を与えてしまう。
このような重大なことを決する際の心得とはいかにあるべきか。
心の中のエゴ、小我を見つめる。幾つものエゴが姿かたちを変えて現れる。
損か得かのソロバン勘定を弾く。
「動機善か私心なかりしきか」と、自問できればいいが、私それほど立派じゃない。
ソロバンを何回も弾き弾く。
皆のために善きことか。
私のために善きことか。
ソロバンを弾く。損か得か。
これを繰り返す。
すると、ロウソクの炎の横揺れが少しずつ治まってくるように、心に静寂が訪れる。
そのとき決断する。
決断に心地よいか、よく眠られるか。
YESならその決断に従う。
決断したからそれでおしまいかと言えば、事はそれほど単純ではない。
想定外のことが起きてくる。
計画外のことが起きてくる。
下駄を履くまで、いや、下駄を履いて歩きだすまで、いや、歩きだしても彼の岸に両足が着地するまで、想定外が起きうる。
誰にも相談できないことに向き合うには、それ相当の精神的スタミナがいる。
決断とは孤独な精神活動である。