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『思うようにならない』
 身体も心も思うようにならない。
 仕事も対人関係も思うようにならない。
 何としてでも、思うようにしようと、あの
手この手を考えあがく。
 それでも思うようにならない。
 私の幼少期、そう、今から六十年も前にな
る。暖をとるには、すみに火をつけレンタン
に着火する。涼をとるには、風りん、打ち水
をする。環境に私たちはあわせてきた。
 暑ければ服を脱ぎ、寒ければ服をはおった。
 ところがエアコンを手に入れた時から、リ
モコンひとつで私の感覚に環境をあわせた。
あわせられた。
 自分の思うようにオペレーションできると
思いはじめた。
 人もモノも何でも自分の思うようになると
思いはじめ、それがやがて思うようになると
思うようになった。
 そうなると、
 思うようにならないのは、私のせいではな
く相手がモノがわるいと思うようになる。
 モノは修理するか捨てる。
 やっかいなのが対人関係であり、仕事であ
る。
 相手は私を理解していない。
 この仕事は私にむいていない。
 時が経つにつれ、相手を責め自分を正当化
し、嫌な人と接するのをさけ、職場を転々と
し始める。
 その果てに
 自分は正しい。
 自分はまちがっていない。と自分を正当化
するか、責任ある場から逃げるか、被害者意
識で生きてゆくかと。
 自分の思うようにならないことに耐えてみ
よう。
 そうすれば世界の景色は、美しく楽しく観
えてくるかもしれない。