日本医療評価機構 認定第 JC1979号
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『志を立てる』
 森信三先生が、大阪天王寺師範専攻科の倫
理・哲学の講師であった時に、修身科の授業
で行った講義を口述筆録させて一冊の本にし
た修身教授録(致知出版)の一説に立志につい
て説かれている。
「人間が志を立てるということは、いわばロ
ーソクに火を点ずるようなものです。ローソ
クは、火を点けられて初めて光を放つもので
す。同様にまた人間は、その志を立てて初め
てその人の真価が現われるのです。志を立て
ない人間というものは、いかに才能のある人
でも、結局は酔生夢死の徒にすぎない」
「野心とか大望というものは畢竟するに自己
中心のものです。すなわち自分の名を高め、
自己の位置を獲得することが、その根本動機
となっている。ところが真の志とは、この二
度とない人生をどのように生きたら真にこの
世に生まれてきた甲斐があるかということを
考えて、心中に常に忘れぬということでしょ
う。結局、最後は世のため人のためという所
がなくては真の意味で志とはいいがたい」
「真の志とは、自分の心の奥底に潜在しつつ、
常にその念頭に現れて、自己を導き、自己を
激励するものでなければならぬ」
 森信三先生の説かれている立志を読みかえ
すたびに、私の立志に腰骨がりんと立つ。な
んとしてでもなし遂げたいことがある。それ
は、あきた病院で働いてよかった。よき人生
の出会いがあり、人間として成長できた。そ
して人並みの経済生活もできた。このように
全員が心の底から思い感じてもらうことであ
る。私一代では成し遂げられなくとも、次の
代、次の代と志を引き継いでもらいたい。
 そのために、人が何といおうが、誠の一字
を懐に抱き、艱難辛苦を立志の肥やしとして
前を向いて歩いていく。