日本医療評価機構 認定第 JC1979号
公チャンネル

『母ちゃん』
 真宗大谷派の僧である暁烏敏あけがらす はやの短歌に、
 十億の人に十億の母あらむも
  わが母にまさる母のありなむや
 自分にとって自分の母が世界一であるとい
うのだ。そうだ。そうだとも。
 生後小児麻痺を患い、車イスの生活をした
詩画家のはらみちをさんの詩に、どしゃぶり
の中をと題する詩がある。

 どしゃぶりの中を
 母は僕を背負って走った
 母の乳房がゆれ
 僕は背中でバウンドした

 どしゃぶりの中を
 母は僕を背負って走った
 母の白いうなじに雨と
 僕のなみだが流れた

 どしゃぶりの中を
 母は僕を背負って走った
 いくら走っても遠いのに
 僕はぬれたって平気なのに

 どしゃぶりの中を
 母は僕を背負って走った
 火を吐く山の機関車のように
 母の力がばくはつした

 サトウハチローさんの「母の日記をよみまし
た」という詩がある。
 母の日記をよみました
 悲しきことのみ多かりき
 されど よろこびの日もありき

 そのよろこびの日もありきという文字が太
く強くしるされているのが、かえってボクに
は かなしくて かなしくて…。

 母の愛は私の生きる源であり力である。
 母は八九才になる。
 要支援1である。
 料理、洗タクを自力でする。
 だが、歩行はゆっくりゆっくり
 日記も家計簿も、めんどくさいといいはじ
 めてきた。
 私は六六才。六六才の私にとり母は、私の
源泉げんせんである。母あるはありがたし。
 母ちゃんは、私の絶対神ぜったいしんである。